投資の世界で禁じ手とされる運用方法にナンピンがあります。
ナンピンは漢字では「難平」と書き、「難」は損失、「平」は損失を平らにするという意味です。
ナンピンは相場が高騰や暴落を続けると含み損が膨張し、資金が追い付かなくなって破産する危険があるため、悪手と言われています。
ナンピンの手法
ナンピンの目的は、含み損の価格を下げることです。
例えば、1,000円の投資商品を100個持っていたとします(購入金額10万円)。
仮に、価格が100円下がって900円になると、1万円(100円×100個)の含み損が出ます。
ここで、900円の商品を100個追加購入します(購入金額9万円)。すると、含み損の1万円は変わりませんが、商品の平均単価は950円に下がります(19万円÷200個)。
つまり、1,000円×100個の場合は価格が100円アップしないと元を取れませんが、950円×200個なら50円アップしただけで元を取れることになります。
このように、含み損を無くしやすくするのがナンピンの手法です。
しかし、ナンピンの場合は価格が下落し続けると、膨大な資金が必要となります。
リピート系FX自動売買ツールにおけるナンピン
ナンピンが悪手とされるのは、将来の値動きが分からないからです。
将来、価格が戻るということが分かっていれば、ナンピンは決して悪手ではありません。将来の値動きをある程度予測できるいい例が、FXにおける「レンジ相場」です。
通貨の為替の値動きに関しては、一定の値幅の中で波のように上下動を繰返すものがあります。それをレンジ相場と言います。
FXの場合、7~8割がレンジ相場になっています。つまり、価格が元に戻るなら、ポジションをどんどん買い増しした方が利益をより多く取れることになります。そのシステムを採り入れているのが「リピート系FX自動売買ツール」です。
リピート系FX自動売買ツールにおけるナンピンの手法
自動売買ツールは為替が下がった時にポジションを持ちます。
例えば、トラップ幅が100銭だった場合、為替が100円の時に1本目のポジションを持つと、99円で2本目、98円で3本目というように、注文を進めていきます。つまり、ナンピンと同じようなことをしているということです。
ただし、レンジ相場の場合は為替が一定の価格まで下降した後に上昇します。従って、為替が99円に戻ると、98円のポジションが100銭の利益を取って売却されます。100円に戻れば、同様に99円のポジションが利益を取れます。
このように、含み損を出しながら利益を得ることを繰返すのが、リピート系FX自動売買ツールです。